自転車を買い換えた俺なのさ

10年以上乗り倒してきたMTBルック*1の自転車がもう部品交換もしたくないほどボロボロになってきた。タイヤのグリップも悪く冬道でソフトにこけることも多くなったので、今年は思い切って買いかえることにした。久しぶりに自転車を買うので、ちょっと良いものにしようと秋ぐらいから調査を始めた。主な用途は冬道の通勤*2だ。必要な条件は二つ「冬道に強いこと」「丈夫なこと」。これらを満たすであろうと考えたのは「29er」「シングルスピード」のMTBだ。29erとはタイヤサイズ*3が29インチのMTBのこと。通常のMTBは26インチが主流なので*4、29erはちょっと大きめってことになる。で、29erが冬道に強いかって言われると確固たる自信はない。ただ悪路に強い・凹凸に強い*5と言われているので冬道にも強いだろうくらいの根拠だ。デメリットは、車体重量がちょっと重くなるって点とタイヤ代が高いって点が挙げられる*6。一方、シングルスピードというのは変速機がないって意味。まず、お買い物自転車でも3段、通常のMTBであれば24段と「付いていて当たり前」の変速機が付いてないってのは、それだけで「わざとやってる」ってことに注目して欲しい。なぜそんな自転車があるのかというと、ひとつは軽量化が挙げられる。前後の変速機とレバーとワイヤが不要になり、ギアの数も減るというだけでかなり軽くなる。次に故障に強くなるというメリットもある。滅多にないとは言え、変速機は故障することがあったり*7、故障とまでは行かなくても調整が必要になることがある。その変速機がないということは、故障する可能性があるパーツが減る訳だ。これは冬道の運転という点では大きい。もうひとつはメリットじゃないんだけど「不自由を楽しむ」って理由もある。これについてはこの一言で通じない人にはいくら説明しても時間の無駄なので説明は書かないでおこう。とにかく俺は今回、自転車を選ぶにあたって、この2点を目指すことにしたのだ。ただし、どちらの条件も主流ではない。29erは去年辺りからの小さな流行だし、シングルスピードMTBに至っては流行したことすらない。ということは、これらの条件を満たすMTBの選択肢は少ないのだ。そこで、とりあえず「29er」を必須条件、「シングルスピード」を妥協しうる条件とした。実はこの次に「MTBの種類」という選択もあるのだが、これは予算上の条件で「ハードテイル」と呼ばれるジャンルしか余地が無い*8。詳しい説明は避けるがハードテイルというのは、後輪サスペンションがないって意味だ。今気づいたのだが、ハードテイルの定義では前輪のサスペンションの有無を問うのかって点については知らない。今まで前輪にサスペンションがあって後輪にない場合をハードテイルと言うのだと思っていたが、別に前後ともサスペンションがなくてもハードテイルと呼ぶのかもしれない*9。ハードテイルのメリット/デメリットについての説明はここでは避ける、というかハードテイル以外の選択肢がない時点で殆ど調べていないのだ。「サスペンションと重量の兼ね合いが丁度いいMTB」くらいに思っている。この条件が決まる前は「あえて小径車」「あえてBMX*10」という選択も考えた。日本中に変わった人がいると思うが、北海道も例外ではなく、折り畳み自転車やBMXにスパイクタイヤを履かせて冬道を走るって人もいる。例えばキャノンデールフーリガンという小粋な小径車があるんだけど、これの内装3段*11のやつにしようかってのも考えたのだ。フーリガンは29erでもシングルスピードでもないし。さすがにこれらは冒険し過ぎだろうと思いとどまった。俺が石油王になったときの検討課題としたい。さて、この「29er」「シングルスピード」の両方を満たし、かつ札幌市内で購入可能な製品となると選択肢はかなり限られてくる。「29er」のみならもう少し範囲が広がる。いくつかの店を回り、店頭にないものについては店の人に聞いて選択肢を絞り、最終的には、キャノンデール社の29er SL 29'ER 4(以下、SL4)とトレック社のGary Fisher rig*12の二つに絞った。両方とも29erで、俺が普段乗るには十分というか、それ以上のスペックだ。ただしSL4はシングルスピードではなく前3後8の24段変速となっている。価格はSL4が9万、rigが16.5万とどちらも決して安くはない。変速機がないrigの方が高いのは他のパーツやフレームの違いと考えて頂いて問題ないだろう*13。これに29インチのスパイクタイヤ二本で2.5万とかもろもろの費用が乗っかる。実は店を回っている際にninerというメーカーの素晴らしいカーボンフレームMTBに目が眩んだのだが、こちらは価格的に手を出せるものではなかった。なんせフレーム*14だけでrigより高いのだ。こちらは俺が石油王になったときの検討課題としたい。話を戻すと、いよいよSL4とrigの2つに絞り込んだところで、奥様と不二子にこんな高い自転車を買おうと思っているんだけど良いですかと相談したところ、通勤が今より安全になって、かつその自転車に満足するのなら高いほうでも構わない、とありがたい事を言ってくれた。不二子はにゃあと言った。これで第一希望であるrigを買うにあたってのハードルはなくなった。とは言え先行き不安な情勢を考え、結局のところ、手堅く第二希望のSL4を買おうというところに落ち着いた。SL4は歩いて5分の所にある自転車店にあることを確認していたのだが、いざ決心を固め買いに行くとSL4は既に売り切れていた。しかも次の入荷は来年一月になるという。店の前をよく通るので最初に在庫を確認してからもちょくちょく覗き込んで、まだ売れてないことを確かめていたつもりだったのだが、実は俺がいろいろ検討している間にSL4は売れてしまって、同色の別の製品に入れ変わっていたのだ。こちらは29erですらなく、どちらの条件もクリアしていない。そこまで妥協して通常の非29er&非シングルスピードを選ぶのであれば、2つくらい上のグレードで型落ちのお買い得品が同じような価格で別の店にあったので、そちらの方を選ぶだろう。結局、その店では何も買わずに家に帰ってひとしきり考え、一度は今年はMTBルック車をもう一年乗ろうと諦めかけた(去年も同じようなことを言って乗っていた)のだが、奥様がこの際だから最初に気に入った方を買ってしまえば?と背中を押してくれたこともあってrigを買うことにした。その日のうちに早速、TREKを扱っている円山の自転車店に行きrigを注文*15。ついでだからとその場でスパイクタイヤも買おうとしたが、在庫はないとの事*16。この店にならあるかもと教えてくれたのが、さっきSL4を買おうとした店だった。SL4を買おうとしたときに店頭在庫は確認済みだったので、帰り道で再びその店に行きスパイクタイヤを購入。さっき来た客がもう一度来てタイヤだけ買いに来たので店主には別の店で自転車を買ったことがバレバレかもしれないが、まあ良いだろう。ここまでが昨日の話だ。そんな訳で、今は今週末くらいの入荷を待っているところ。入荷したら印象と雪道の走行性能についてここで報告しようと思う。

*1:MTB=マウンテンバイクみたいな外見だけど山では乗れない街乗り専用の自転車

*2:交通機関を使うと遠回りだが、自転車だと2〜3kmの短い通勤経路となる。

*3:正確にはリムのサイズ。つまり、ゴムの部分ではなくその内側の金属部分のサイズ。

*4:他のサイズもある。

*5:テニスボールよりもサッカーボールの方が地面の出っ張りの影響を受けにくいことから想像がつくと思う。

*6:実際に高かった。

*7:もちろん、他のパーツも故障することはある。

*8:競技として乗る人のためのMTBと思った方が良さそうだ。

*9:どっちでも構わないと思っている。

*10:モトクロス用の自転車。

*11:変速機が後ハブの中にあるタイプ

*12:Gary FisherはMTBを作った人。その人のブランドで昨年までは独立したメーカーだったのだが、今年度からTREK社の1ブランドとなった。

*13:たぶん。

*14:胴体部分。ハンドルもタイヤもギアもサドルもペダルも含まない。

*15:店頭にはないことは確認済み。注文なしで仕入れる自信はなかったとのこと。

*16:品不足で全然入荷しないと言っていた。