素数年

2011年は、2003年以後初めての「素数の年」となる。次の素数の年は2017年になる。さらに、2011年と2017年は「セクシー素数」(sexy primes)になる。
[セクシー素数とは、差が6の素数の組(p, p+6)。例えば、(5, 11)はどちらも素数であり、かつ差が6であるのでセクシー素数。セクシーという用語は、ラテン語では6が「sex」であることに由来する。なお、素数の差が2であるセットを「双子素数」、素数の差が4であるセットを「いとこ素数」と呼ぶ]

2011年は「セクシー素数」の年

うっかり2011年は素数年だってことに気がついてませんでした*1


基本的な話をすると、3より大きい素数は「6の倍数の前後」にしか存在しません。6の倍数(以下6n), 6n+2, 6n+4が必ず偶数になり、6n+3が3の倍数になるので、素数になり得るのは残った6n+1(6の倍数の次の数)と6n+5(6の倍数の前の数)になります。


このことから、3より大きい2つの素数の差は最小で2(6n-1 と 6n+1)、次が4(6n+1 と 6n+5)、その次が6(6n+1 と 6(n+1)+1 または 6n+5 と 6(n+1)+5)となります。


さっきの記事によると、2011と2017の2つの素数のペアは差が6の「セクシー素数」との事ですが、実際に素数の年がどのくらいあって、その間がどのくらい離れているかについて、簡単なスクリプトを書いて調べてみました。 → http://gadd9.com/soft/primetable.html


まず、21世紀はわりと素数が豊作なようで14回あります。逆に次の22世紀は、双子素数(差が2のペア)が3回もあるのに、22世紀全体では10回しか素数年がない不作の世紀のようです。特に最後の2179年から次の2203年までは24年のブランクがあります。ここまで間が開くとは1669年以来のピンチです。とは言え1327〜61年の34年続いた素数暗黒時代にくらべたらたいしたことはありません。


なお、3より大きい異なる2つ素数の差は、それぞれが6の倍数の前後の数であることから「6の倍数、6の倍数+2、6の倍数+4のいずれか」になりますが、これはすなわち「偶数である」としか言っていません。かといって、任意の偶数xに関して差がxとなるような素数のペアが必ず存在するということではありません。この件については、ちょっと考えてみましたが、結論は出ませんでした。

*1:リンク先の記事には他にも面白い情報があります。特に3には驚きました