五無主義
特に意識はしていなかったが、俺の撮る写真は次のような傾向があると思う。
- 「美しくない」
- 写真に美しさが必要でしょうか?美しいものが見たければ、実物や絵画を見ればいいのです。美しい写真の裏側にある撮影者の「どうだ」という顔がちらつくのはまっぴらです。
- 「面白くない」
- 写真に面白さが必要でしょうか?そもそも面白ってなんですか。普通じゃどうしてだめなんですか。
- 「味が無い」
- 出た「味」。後付けの言葉でどうにでもなる「味」なんてものに興味はありません。そんな下卑た考えから写真を切り離してあげましょう。
- 「役に立たない」
- 「役に立てよう」というのはそもそも嫌らしくて程度の低い言葉です。人類の発生から脈々と学問が続いている理由を考えて見てください。役に立つか立たないかなどという下品な考えから独立しているからです。
- 「主張がない」
- 写真に限らず「主張」などという子供じみたおもちゃを自分のアウトプットに織り込むなんてのは、人間として最も恥ずべき行為のひとつです。
こやって書いてみるとなんだか新しい写真運動のような気がしてきたぞ。とりあえず、これを五無主義と呼ぶことにしたい。「うまくない」の一言で片付けられる気もしてきたが。