塩ビ
今週のタモリ倶楽部は「塩ビ・スピーカをあれこれ」みたいなタイトルだった。同倶楽部は地域によって放送日時が異なるため、もしかしたらまだ放送されていない地域にお住まいの方もいらっしゃるかもしれない。楽しみに取っておきたいのであれば、本エントリは読み飛ばした方が良いだろう。実際のところ、どんな人であれ本エントリは読み飛ばした方が有益であることに違いはないのだが。
前半は、例によってマニアックな人達が登場して、自慢の塩ビ・スピーカを披露し、市販のスピーカと聴き比べるというもの。始める前から誰もが解っていた事だが、今までのオーディオ企画と同様にテレビでは音の違いがさっぱり伝わらない。このことはオーディオ企画のお約束になりつつあるのがちょっと鼻につく。前半パートでは、水道橋博士がしっかりと森田やマニアさんたちに付いてきているのが印象的だった。
そして、問題の後半なのだが、これも同倶楽部では恒例となっている工作対抗戦が始まった。「志郎、工作勝負だ」森田が叫ぶ。いや、叫ばなかったかもしれない。森田玉袋チームと府川眼鏡*1チームがそれぞれマニアさんたちによる指導の下、塩ビ・スピーカを作って、その出来を比べるというもの。森田玉袋チームについては特に取り上げるべき点はない。森田がいつも通りの器用さを発揮してスタンダードな塩ビ・スピーカを作り上げただけだ。
一方、府川眼鏡チームは、といっても主に府川だが、スピーカ作りのセオリーをことごとく無視して作業を進める。ある意味、府川は自らの役割に忠実であったと言えよう。加えて、理工系の素養がない者にありがちなことだが、自重*2を考慮しないまま、横に長い形状にしてしまったため、中央部分が落ち込んで醜く歪んだ外見となってしまった。この歪み方には、ちょっとした不吉さすら感じてしまった事を付け加えておこう。
番組的には「森田玉袋チームのスピーカから良い音が鳴って、府川眼鏡チームはくっちゃくちゃな音が鳴る」という展開が期待されるところだ。出演者達もその方向で話を進めていたと思う。もちろん、森田スピーカはその期待に応え、マニアさんたちが作ったスピーカと遜色のない音を出した。テレビを見ている俺には全く違いが伝わらないのだが、少なくとも出演者達はそう言っていた。そしてオチ担当の府川眼鏡チームのスピーカである。(もう予想が付いているとおもうが)あろうことか、このスピーカが周囲の反応を裏切り、良い音を出してしまったのだ。途方に暮れる府川、感心する森田、「なぜ、このスピーカから良い音が?」と不思議がるマニアさんたち。その日の倶楽部はぐだぐだのままエンディングを迎えた。同倶楽部においてぐだぐだでないエンディングは稀である。
この週は府川の負の力が遺憾なく発揮された回だったと思う。
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