【算数】すべてが十になる

MLAの「市民講座」に応募しようと思って書いたけどやめた原稿です。入選&掲載時のメリットが少ない事が応募をやめた理由です。

皆様はじめまして。(本名)と申します。札幌在住、40代の会社員です。ミステリと楽器とカメラが好きです。どうぞよろしくお願いします。

私たちが一般的に使っている数の数え方は「十進法」と呼ばれています。この○○進法というのは「数を表記する/読む」ための方法であり、数の大きさとは無関係です。例えば、十進法で16と表記される数を八進法では20と書きますが、両者は等しい値を持ちます。

コンピュータの内部では二進法や十六進法が使われているという事を聞いた事がある人は多いと思います(意味を理解している人も多いでしょう)。私たちは特に疑問を抱くことなく二進法や十六進法と読んでいますが、この呼び方はあくまで私たち十進法の世界の住人が付けた名前です。もしネイティブに十進法以外の方法を使っている人達がいたらどうなるのでしょう?

話を簡単にするために、地球のどこかに「小指では数を数えない」という民族がいると仮定してみましょう。この民族は私たちが八進法と呼んでいる方法で数を数えます。つまり、「1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 10, 11, 12 …」と数えるのです。ただし、彼らに「あなたたちは何進法で数を数えますか?」と尋ねると「十進法です」と答える筈です。彼らにとって7の次に来るのは、雪だるまみたいな変な形の数字じゃなくて、あくまで10なのです。彼らにとって私たちは「十二本の指をすべて使って数える十二進法の人達」ということになります。

十二進法と言えば、個人的には甚だ疑わしいと思っているのですが、過去に(私たちからみた)十二進法が使われていた時代があったのでは?という説を読んだ事があります。時計が12時まであるのはそのためだとか、英語で11, 12にteenが付かないのはその名残だといった説です。もし十二進法を使っていたとしたら、指をどのように使って数を数えていたのでしょう?想像してみると面白いかもしれません。