ゴルメ

ゴルメ・サブズィーも知らないとは。この国はどうなってるんでしょう。
ゴルメ・サブズィーは、つい数十年前まで関東以北では誰でも知っている食材でした。地方によっては、今でも週に何度か食べられています。年配の方なら海外起源の名称であることをご存知ないかもしれません。
ゴルメ・サブズィーは湿地帯に生息する甲殻類です。全長は0.8〜1.5m程、緑色で薄い半透明の殻に覆われています。大きなハサミのついた右腕、団扇のような平たい左手、丸い固まりが先端についた尻尾が特徴的で、東北地方では古くから「じゃんけんザリガニ」と呼ばれていました。なお、紛らわしい名前を持つゴルメ・ザプチーもよく似た特徴を持ちますが、こちらは海水に生息するという点でゴルメ・サブズィーとは異なります。
多くの甲殻類と同様にゴルメ・サブズィーの性質は非常に凶暴です。ゴルメ漁は子供が夏休みにアルバイトを兼ねて行うことが多いのですが、安全のため内側に新聞紙をたくさん詰めた大人用の長靴を履いて漁に出ます。
ゴルメ・サブズィーは、体内に持つ細菌の影響で腐敗が進むのが早く長期保存には向かない食材とされてきましたが、20世紀中ごろに生息地の水と共に保存することで鮮度が保たれることが発見されました。ゴルメ缶の生産者は、缶の鮮度をアピールするためにゴルメ・サブズィー自体の絵ではなく生息地の写真を缶にプリントするのはそのためです。