五五

いつもの導入部
今週のタモリ倶楽部は「タモリ倶楽部と共に17年! HL-V55を救え!!」というタイトルだった。同倶楽部は地域によって放送日時が異なるため、もしかしたらまだ放送されていない地域にお住まいの方もいらっしゃるかもしれない。楽しみに取っておきたいのであれば、本エントリは読み飛ばした方が良いだろう。実際のところ、どんな人であれ本エントリは読み飛ばした方が有益であることに違いはないのだが。


出演者と概要
冒頭から市販のビデオカメラで撮影された画像で森田が登場。といっても、違いは良く解らない。タモリ倶楽部テレビ朝日でも珍しい(唯一と言っていたような記憶もある)アナログ配信の番組だが、これがディジタル放送になったら違いが解るのかもしれない。そこにゲストの山崎樹範とマギーが、重いとか大変だとか言いながら業務用のカメラを担いで登場する。このあたりで賢明な視聴者は、ははん、今日はビデオカメラの話だなと気付く寸法だ。


思った通り、というかいつもの展開通り、ここで趣旨説明となる。どうやら、この番組で17年間*1に渡って使われてきた業務用ビデオカメラが古くなり故障したので、メーカーまでやって来て修理しようという話らしい。今回は地味すぎる上に仕切る力が全く無さそうなゲストに配慮して、アナウンサーがあてがわれている。



(これがHL-V55)


どうなるV55
場面は池上通信機社内部に移る。ここで、カメラはこの会社から借りたいつものHL-V55に代わる。池上通信機からは営業本部の人と検査部の人が出てきた。まずは、最近の番組を見ながらカメラがどう駄目になったを検証する。検証内容は「ゴーストが入る」「電源が落ちる」といった点だったと思う。検査の人が、これはヘッドが減ってますねとか、コンデンサがいかれてますねみたいな対応をしていた。普通すぎる回答だが、ここで突拍子もないことを言われても誰も得をしない。


ここで、直すとしたらいくらかかる?とこれまた当たり前の展開。確か2台分で160万と答えていたような気がする。森田の出ている「計画的にやりましょうよ」のCMで言えば「けい」の2音節分のギャラくらいだろう(推定)。とにかく高いが、購入時の価格がレンズ抜きで600万なので、妥当な所なのかもしれない。そんな予算はないので「これだけ長いこと愛着を持って使ったんだら」割引みたいな話は無いのかと強引な依頼をもちかけるが、営業の人が修理でディスカウントはできないとなめた口調で*2シビアな対応。ビジネスモデルが見えましたよ!


おわかれは突然
修理も購入も無理と言うことで、急遽企画が変更されて「17年間ありがとう!!名機V55お別れ会!?」というタイトルになった。

  • アナウンサー氏は「車の故障の修理代70万が気になって、カメラなんかどうでも良い」みたいなことをいって、ゲストよりも笑いを取っていた。
  • 特徴を営業の人が説明(出たときは世界中の放送局で使われていた、今は地方のローカル局くらいしか残っていない)
  • V55の良い所をいつものカメラマンが説明。持ちやすい、バランスが良い、ハイパーゲイン機能等々。マギーが調子に乗ってんじゃねえよとなじる。
  • 代わりに池上通信機は新しい製品ではどうか?と持ちかける、フルHD対応のディジタルビデオカメラで、16GBのフラッシュメモリパック*3を使っているそうだ。価格はV55に比べるとぐっとお安くなって、360万ほどらしい。そんな安いの?と森田。あしたのハーモニーなら半ページ分くらいのギャラで買えてしまうのだろう(推定)。当然ながら製作会社はこれも買えない。
  • 同業者より追悼ビデオメッセージが届く。主にカメラの良さを褒めつつも、まだ使っている人が居たのかみたいな話やらが続く。中には自分の奥さんに喩えて結婚式のスピーチみたいなことを言う人も。
  • アナウンサー氏はビデオメッセージに登場した一人を「偉そうなことを言ってたが、こいつがこのカメラを使って撮ったものと言えば、トゥナイト2でのストリップの撮影がほとんどだった」とばらす。テレビで放送できるぎりぎりの映像を撮るのが巧かったそうだ。
  • 技術担当の人も出てきて「ここまで使ってもらえるとは、嬉しい反面呆れる」みたいなことを言ってたような気がする。実際のところ、17年間使い続けたカメラはあちこち傷だらけになっていて、テープでの補修跡も見えている。
  • 出演者の撮影による出演者からの感謝の言葉が贈られる。中川家と河本が築いた「カメラマンと助手コント」を山崎&マギーが真似ていた。


エピローグ
最後に、いつものカメラマンによる噛み噛みでぐだぐだな追悼メッセージが、個人的な事情を織り交ぜつつ読み上げられた。「下手だが心のこもったメッセージ」ということはなく、ただひたすらにぐだぐだしていたところがこの番組の良い所だろう。「やる気のある者は去れ」という森田イズムが隅々まで浸透している。


次週からどんなカメラで撮るのかといった説明もなく、番組はフェイドアウトしていった。


今週のまとめ

  • 今回は地味ながらもなかなか面白い回だったと思う。先週のジャケ弁のように華がある企画も良いが、今回のような見てる方にとって心底どうでも良いことを追求する方がタモリ倶楽部らしいのではないだろうか。
  • ところで、ご存じの方も多いと思うが、この企画を始めるきっかけとなった「今週のサザエさん」が、不心得者の妨害によりブログごと終わることとなってしまった。非常に残念である。この件について思うことはいろいろあるが、腹の中にしまって静かに成り行きを見守ることにしたい。
  • 関連リンク

*1:安斎によると空耳アワーが始まったのも17年前とのこと。

*2:マギー談。

*3:HDDじゃなくてメモリという点がポイント。ただ、16GBにしてはかなり大きなメモリパックだった。