坂と蛇

僕はある日、坂の勾配が20%とは「A:100m走ると20m上がる」のか「B:地図上(=水平距離)100m進むと20m上がる」のか気になったんだ。そう図にするとこんな感じだ。


どちらが正解かはともかく、まずはAとBにどのくらい違いがあるのかを計算してみることにしたんだ。


Aは asin(0.2) * 180 / pi , Bは atan(0.2) * 180 / pi で坂の角度を求めることができる。asin, atanは、arcsin, arctan (sin, tanの逆関数) のことだ、小学校で習ったよね。憎らしいことに、大抵の計算機では通常、小学校で習った弧度法でasinやatanの答えが出てくるのさ。僕は小学校の授業をあまり熱心に聞いていなかったので、弧度法で角度を言われてもさっぱり解らないから、幼稚園で習った度数法に換算するために 180/pi をかけてあるんだ。piはもちろん円周率のことだ。保育園で習ったよね。


そして、僕は計算することや電卓を叩くことが苦手なので、こういった面倒な事はGoogleに尋ねることにしているんだ。Googleの検索ボックスに上の式を放り込んでやると次のように教えてくれたよ。

(asin(0.2) * 180) / π = 11.536959
(atan(0.2) * 180) / π = 11.3099325

11.5度と11.3度、やれやれ、ほとんど変わりはないじゃないか。僕は「だったらどっちでもいいや」って思ったね。


これだけじゃあまりに不親切なので、どちらが正しいのかネットで調べてみた。正解はBのようだ。あとから気付いたんだけど坂って必ずしも角度が一定じゃないからA案だったら、極端な話、こんな坂だと勾配が正確に出ないよね。


あり得ないはなしだけど、45度の坂があったら、100m進めば100m上がるので100%の勾配ってことになるんだ。100%の坂なんて何だか素敵じゃないか。


最後にひとつだけ、お詫びしておかなければいけないね。僕はこのエントリを「坂と蛇」というタイトルにしたんだけど、どこにも蛇なんて出てこなかったね。悪気はなかったんだ、許して欲しい。