甲虫
いつもの導入部
今週のタモリ倶楽部は「リマスターがやってくる ヤァ!ヤァ!ヤァ! 発覚!? ビートルズ47年目の真実」というタイトルだった。同倶楽部は地域によって放送日時が異なるため、もしかしたらまだ放送されていない地域にお住まいの方もいらっしゃるかもしれない。楽しみに取っておきたいのであれば、本エントリは読み飛ばした方が良いだろう。実際のところ、どんな人であれ本エントリは読み飛ばした方が有益であることに違いはないのだが。
出演者と概要
今週のゲストはおぎやはぎ、萩原健太×1.8、近田春夫×0.9の4.7人。進行は矢作兼で、「詳しい係り」はミミ萩原。冒頭から眼鏡の2丁拳銃が襟無しスーツにマッシュルームカットで登場、と思ったらおぎやはぎだった*1。この格好で鉄道ネタだったら画期的なのだが、見た目どおりビートルズ企画。タイミング的には、リマスター版一斉発売が9/9だったので首都圏ではそのころに放送されたのだと思うが、北海道では9月29日にやっと放送となった訳だ。地方の悲哀を感じずにはいられない瞬間と言っても良いだろう*2。
場所はマランツのショールームだったと思う。今回はオーディオ関係の細かい説明はなかったが、アビーロード・スタジオでも使われているという一本150万以上のスピーカだけはしっかりと取り上げられていた。このショールーム豪華な機材を使って、新旧のCDを聴き比べようというのが今回の主な趣旨だ。
先に言っちゃおう
正直に言うと俺は最初に出てきた旧盤の時点でかなり良い音だと思ってしまった。評判の良くない昔のCDにも関わらずだ。「あまり良くないCDを、ものすごく良いオーディオ機器で再生した音を、テレビ製作スタッフが録音し、それを放送局が送り出して、家庭のテレビで視聴する」という良い・悪い・普通が入り乱れた結果の産物であるにも係わらず、いままで聴いてきた記憶よりも遙かに良い音なのだ。
これは、俺が「レンタル屋のあまり状態の良くないアナログレコードを、しょぼいステレオで安いカセットテープに録音し、ウォークマンの初代機で聴く」という記憶が消えていないからじゃないかって気がする。オリジナルアルバムをCDで聴いた事がないって事にこの時点で始めて気付いた。カセットは部屋のどこかで眠っているし、何度も聞いたアルバムのCDを買うのも面倒だし、iTunesストアでは売ってないときてる。
下らない自分話を書きすぎた。言いたかったのは「テレビで聴いたにも関わらず、旧盤の時点で充分音が良いと思った」って事だ。これならいくら新盤とは言え、テレビを通して聴いたのなら、あまり違いが出ないんじゃないだろうか?と思ったのだが、次に同じ曲を新盤で聴くとこれがもう何というか全く違うのだ。
喩えるなら、一辺が10cmの立方体があるとして、この立方体の一面にだけレリーフを彫ったのが旧盤とすると、その立方体から削りだした彫刻が新盤って感じ。喩えるとかえって解りにくくなるのは私の悪い癖。
そろそろ本題に入れよ
なんだか、書くべき事はもう全部書いちゃったんだけど、気にせずに進める事にする。
さて、番組の方だが「新旧聴き比べ」と「小木の好きな曲ベスト10」の2つの企画が交互に進められた。もちろんメインは前者なのだが、それだけだと単調になると思ったのだろう。
以下、それぞれの内容について海難を防ぐためのメモです。
新旧聴き比べ
- 細かい曲目は省略するが、幾つかの有名曲を新旧で聴き比べて、どこが変わったかを説明するという段取りだった。
- どこが変わったかといっても、概ね「今まで聞こえなかった音が聞こえるようになった」に尽きる。
- 途中、萩原健太八割増が説明のためにウクレレを弾きだす。よく見たらギブソンのギターだった。
- 近田春夫は何のためにいたのか解らなかったが、試聴中に目をつぶってエアギター的な動きをしていた。そういう役割なんだろう。奥様は「この方って少し若返ったんじゃないかしら?」と言ってたが、それはずっと帽子を被っていたからだと思う。
- 森田はジャズの人なので、ビートルズではなくオーディオ的な興味から聴き入っているように見えた。
「小木の好きな曲ベスト10」
- 視聴者、出演者含めて誰もそんなものに興味がないのだが、小木が好きな理由やエピソードを説明しつつ10位から順に発表していた。
- 終わり際に矢作の「小木の一位がびっくりするくらい盛り上がらなかった」が笑いを誘う。
- とは言え、なかなか面白い選曲だと思う。こんな10曲選んだ人は初めてだろう。ボックスを買う事があったら、iPodにこのリストを入れてみたい。
- Two Of Us (Let it be)
- You've Got To Hide Your Love Away (Help!)
- Drive My Car (Rubber Soul)
- Come Together (Abbey Road)
- While My Guitar Gently Weeps (The White Album)
- I Will (The White Album)
- Something (Abbey Road)
- Back In The U.S.S.R.(The White Album)
- You Never Give Me Your Money (Abbey Road)
- Polythene Pam (Abbey Road)
- 腐れマニアにありがちな「皆が選ばない曲を選ぼう」という小汚い意図が無い*3ところが偉いと思った。俺なら「知ってる人と思われたい」という誘惑に負けてデビュー前の曲とか混ぜちゃいそうだ。ああ嫌らしい。んーんー。
- 関係ないが、鈴木慶一は数十年前のFM雑誌「FM fan」のアンケートで一番好きなアルバムを「Strawberry fields forever (bootleg)」と答えていた。ああ嫌らしい。んーんー。
今週のまとめ
- 尺が余ったため屋上ゲットバックを数秒流していた。そんな優しさいらない。
- 今回はおぎやはぎや森田も含めて、あっち側もこっち側もない企画だった。細かい事を追求しつつも、それは全然当たり前の事であるという視点で番組が進んでいるのだ。マニアックな趣味であれば、それは変な人になってしまうのだが、あまりにもメジャーすぎる物が対象であるからだろう。
- 困った事に、これだけ豪華な設備で細かいことをやっているのにマニア企画にならないせいで、変な人をいじるというお約束が発生しないのだ。小木のベスト10はそのバランスを取るために入れたのだろう。
- とは言え、やはり主役はボックスセットだった。テレビ越しにここまではっきり違いが伝わるというのは驚きだ。年末にPS3かこのリマスターボックスセットを買うかで悩んでいたのだが、この放送のせいで悩みは深まるばかりだ。FF13もやりたいし。
- 関係ないけど、学生の頃やはりカセットでかなり聴いてた、スティーリー・ダンのAja/彩(エイジャ)ってアルバムがあるんですよ*4。山口小夜子が写っているジャケットで有名なあれです。レコード時代に聞きこんだアルバムではよくあることなんだけど、この彩(エイジャ)もCDを持って無くて10年以上聴いてなかったんですよ。先週このアルバムの事をふと思い出してちょっとiTunesストアを覗いてみたら600円と格安だったんで、彩(エイジャ)ないか!とダウンロード購入したんですよ。そしたら、もうなんていうかね、なんじゃこりゃーって言うくらい記憶と全然音が違うんですよ。Pegなんかコーラス足してねぇかってくらい違うのよ、ご主人。もちろん昔に聴いていた音が良くなかっただけなんですけどね。そんなわけで、今回のリマスター盤もドキ!なんじゃこりゃだらけの17枚みたいな事になってるに決まってるんですよ。もうこれは買いだよね、買わない理由が理解できないよねって思うんですよ。
- 誰かください。
- 今週のサザエさんは久しぶりにいつも通りの内容となっていた。その次の野球の話も面白いのでどっちも読むといいよ。ていうか読まないと元町鳴いちゃう。
- わんわん。
- をかべさんの「☆今週の空耳アワー(但しうろ覚え)☆」もしっかり更新されているので、毎日でも見ると良いと思う。考えてみたら、あのページは歌詞や曲名にはまったく触れられていないので、空耳を見逃した人には役に立たないと思う。でも、空耳の寸劇が好きな人にはたまらないページなので、やっぱり日に3回は見ると良いと思う。
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