スケール感

8月11日に土星の輪“消失” 15年ぶり」という記事を見ていたら、「土星の輪の幅は17万マイル(約27万キロ)にも及ぶが」という記述があった(現在は「土星の輪の直径は」に修正されている)。


俺は天文学にはかなり疎い方だが、27万kmという数字は直感的に考えて、環の幅としては大きすぎる値なので、これは直径の事だろうと思った。検索する前にぱっと考えたのは次のことだ。

  • (現在の定義はともかく)メートル法は地球の外周を4万kmとして、長さを決めているので、地球の直径は3.14で割って約1.3万kmだ。
  • 土星の直径は確か地球の約10倍くらいなので、13万kmくらいだろう。
  • 土星の画像を見ると環の直径は星の約2倍ちょっとくらいだ。
  • 環の直径は26〜30万kmだろう。

土星の直径の部分が微妙だが(実際は9.5倍だった)、だいたいは全部義務教育で習う事だろう。逆に考えた方が解りやすいかもしれない。環の幅が27万kmもあったら土星の大きさは地球の100倍くらいになってしまうのだ。地球と土星の間にそこまでの違いはなかった筈だ。


実際に検索してみると、土星の環の直径は約27万6800kmだった。おそらく、翻訳した人がうっかりしていたのだろう。ついでに調べてみたら、幅は約2万5600kmだった。すごい、地球ふたつ分だ。


あっしらは、この手の桁の感覚が鈍ると、おまんまの食い上げになっちまうのさ。