角度
「すべての方向に」って意味で「360度」という表現を使うことがある。対象が平面ならばそれも良いだろう。だが立体の場合、つまり上下左右前後を含むあらゆる方向を表す場合ならば「360度」はいただけない。2Dを対象とした表現を3Dに使うことには無理がある。
「警備に問題はないか」
「はい、やつらが360度どこから攻めてきても一歩も中にはいれません」
「ばっかもーん、空から来たらどうする!」
NHKぽさを狙って意味なくスキットを入れてみた。
対象が3Dの場合は、ステラジアン(立体角)で表わすのが筋ではないだろうか?ステラジアンの説明は面倒なので「弧度法(ラジアン)を球に拡張したもの」とだけ言っておく。これで解らない人には、あと10分ここに説明を書いても伝わらないだろうし、そもそもその部分は読み飛ばすだろう(ここに来る前に読むのを止めている確率の方が遙かに高い)。
話を戻そう。空間が対象の場合は、ステラジアンで表す方が的確でリアルだという話だった。例えば戦闘機の空中戦の場合は全方向を表す4π、地上であれば、下半分は対象外なので半球を表す2πが表現として妥当である。
「警備に問題はないか」
「はい、やつらが2πのどこから攻めてきても一歩も中にはいれません」
「ばっかもーん、地下から来たらどうする!」
これなら、違和感がない思う。