BAKA

BAKAを漢字で表記する際には「馬鹿」「莫迦」の2通りの書き方があります*1。それぞれの表記に何か違いはあるのだろうかと調べてみたところ、どうやら語源はサンスクリット語の moha(=愚か)あるいは mahallaka(=無知)という言葉にあって、それが中国で「莫迦」という漢字が当てられたというのが定説のようです*2。そして、もう一方の「馬鹿」は日本での当て字のようです。
ここで疑問が出てきます。中国の故事成語の「馬鹿」が由来であるという説も確か聞いたことがあるような気がするんですけど、あれはどうなったのでしょう?これも調べてみたら解りました。インターネットって凄い。ストーリーは省略しますが「馬鹿」は「鹿を指して馬と為す」という故事で、いわゆるバカの意味ではなく「威圧をもってまちがいを押し付ける」という意味なのだそうです。しかも「鹿」をKAと読むのは訓読みで*3、中国語では「馬鹿」と「莫迦」の間に繋がりはないとの事です。要は「馬鹿」を「BAKA」と読んで「莫迦」の当て字に使ったばかりか、語源にまでしてしまったと言うことですね。つまり全く別の言葉が日本で勝手にリンクさせられてしまったというのが真相のようです。
ところで、他にも同じようなことを言ってる人が居たので私に限った話じゃないと思いますが、同じ文字を繰り返して書くと意味が剥がされてしまうのか、ただの線の集まりに見え「こんな字あっただろうか」と不思議な気分になることがあります。それと同様に同じ単語を頭の中で繰り返して考えてると、なんだか訳の解らない言葉のような気がしてきます。そのせいでしょうかさっきからBAKAという単語が何だか格好良く感じます。バカの壁を実体験しているのかもしれません。
更に話が逸れます。恥ずかしながら「バカの壁」という本は未読なのですが*4、「莫迦の壁」という便乗本が出たらちょっと手にとってみたいと思います。「壁の莫迦」だともっと良いかも。

参考:

*1:「破家」という書き方もあるそうです。

*2:そう言えば、トリビアの泉で「莫迦梵(バカボン)はお釈迦様の尊称である」というのがありました。たしか梵は「宇宙の真理」というEW&Fのアルバム名みたいな凄い意味の言葉だった気がします。無知+真理って事です。「無知の知」のことでしょうか(違う)。ソクラテスかよ(全然違う)。

*3:なので、馬鹿は重箱読みであるとも参照したサイトには書かれてました。

*4:すみません。本当は恥ずかしくもないです。

*5:ここにはもうひとつの説(1)が出ています。でも、(2)のサンスクリット語の読みと綴りが怪しい気がします。