シーク&ファインド

夏の前、子どもの集会 (新風舎文庫) 泉由良
悲しい出来事が起きた際に、難しいのは、その悲しみを乗り越えて日常と折り合いを付けることではなく、むしろこんなにも簡単に折り合いがつけられてしまったことに対する怖さを克服する事なのでは無いかと思います。
時折見られる徒に悲しみを増幅させてみたり、自分を含めて非のある人を攻撃することに執着するといった行動は、その怖さから自らの目を逸らさせるために行っているのかもしれません。
そのどちらの行動も潔しとしないのではないかと思われる主人公に共感を覚えるとともに、気持ちが楽になりました。

夏の前、子どもの集会 (新風舎文庫)

夏の前、子どもの集会 (新風舎文庫)