矩形

本家に書いたけど、"短形選択" で検索すると 233 件ヒットする(先日より更に増えた)。そもそもこの単語で検索しようと思ったのは、Fireworksでボタン画像の作る方法を書いたページを見ていた際に「角丸短形ツールを使用して」という記述を見つけたことがきっかけであった。短形という言葉があるかどうかはともかく、明らかにこの用例では矩形と間違って使っている。しかもソフトの使い方の説明が書かれているページであることから考えても、言葉の意味はそれほど大きく取り違えていないと思われる。おそらくこのページを書いた方は読みか文字の少なくても一方を間違えて覚えているのだろう。

そこでこのような誤りがどのくらい一般的なのかを知りたくなり検索を行ってみたのだが、"短形"をキーに検索した場合、誤用以外のページが多数ヒットしそうなので、"短形選択"で検索してみたところ前述のような結果になったというわけだ。ざっと見渡した限り、みな矩形選択の意味で使っているようだ。中には丁寧に「短形(長方形)」と書いているページもある。意味を正確に把握しておきながら誤解を広げようというのはいただけない。「くけい」と入力して「短形」と変換されるIME辞書は多分存在しない筈なので、これらの誤りをする人はみな「短形と書いてある」と判断しているものと思われる。

かなり乱暴ではあるが"矩形選択"と書こうとした人の中で誤って覚えている人がどのくらいいるのかを "短形選択"のヒット数/("短形選択"のヒット数+"矩形選択"のヒット数) で計算してみたところ恐ろしい結果となった。

233/(2750+233) =0.078 つまり約8%だ(死ぬかと思った)。念のため "矩形領域"で同様の調査をしたところ、こちらは2%を切っていたので"短形選択"は誰か影響力のある人の間違いが引用により拡大再生産されているのかも知れない。

「矩形」という言葉を知らないことは全く問題でも何ともないと思う。ほとんど人は知ってる単語より知らない単語の多いのだ。私だってたまたま知っていた単語を他人が知らなかったというだけできーきー騒ぐほど子供ではない。また「その単語に興味がないので意味を知らないままで過ごす」ことも同様に全く問題がないだろう。

ただ矩形を長方形の意味だと知っているのにも係わらず「短形」と読み違えて、なぜ「短」なのか疑問を持たないことに対しては違和感を感じる。少なくても「はるはあけぼの」の意味が解らないことよりは「国語の能力」上の問題のような気がする。